日本近代村落の起源 - 岩波書店
地租改正による近世村落の解体は、村請制に支えられてきた秩序を全面的に崩壊させた。未来への予期を欠いたまま、資源を奪い合い、暴力におびえる住民たち。人々は〈未熟なリヴァイアサン〉、すなわち力を持たない政府の裁定を仰ぎ、相互監視の規約を改めて交わす。近世・近代移行期における日本社会の根本的な変容を描く。
松沢裕作著。
地租改正による近世村落の解体は、村請制に支えられてきた秩序を全面的に崩壊させた。未来への予期を欠いたまま、資源を奪い合い、暴力におびえる住民たち。人々は〈未熟なリヴァイアサン〉、すなわち力を持たない政府の裁定を仰ぎ、相互監視の規約を改めて交わす。近世・近代移行期における日本社会の根本的な変容を描く。
松沢裕作著。
「サラリーマン」という戦後の成人男性の典型的な表象が揺らぎつつある昨今。 昭和・平成の映画、雑誌、ドラマ、漫画など…サラリーマンがサラリーマンをまなざすメディアの分析を通じ、大衆化と差異化という視点から、日本社会を支える〈普通の人々〉の通史を描く。
谷原吏著。
フランス革命を契機に現れ出た〈アンチモダン〉の系譜をたどり、数多くの近代人を魅了したその思想の核心に迫る。反革命、反啓蒙思想、悲観主義、原罪、崇高、罵詈雑言といった多面的な相貌の本質を明らかにするとともに、ド・メーストルからバルトにいたるもう一つの近代精神史に光をあてる。
アントワーヌ・コンパニョン著、松澤和宏監訳、鎌田隆行・宮川朗子・永田道弘・宮代康丈訳。
人々は何を公正なものと捉え、その実現のために行動してきたのか―― 日本の近代化の過程に目を向け、地域と国家の視点から分析。11名の歴史研究者による論集。「公共の理念」「あるべき処遇への叫び」「政治への参加」「民意のゆくえ」の4部構成。
佐藤健太郎・荻山正浩編著。
「地方の百貨店や商店街はなぜ衰退しているのか」「コンビニはなぜ集中出店するのか」「ユニクロはなぜロードサイドから都心部に展開するようになったのか」「イオンはなぜ田園地帯にできるのか」。これらは皆、地理学的視点で説明できるのです。実は私たちの流通や消費は、自然環境や都市構造など地理的な要因によって、少なからず影響を受けています。本書では、コンビニ・スーパー・ファッションブランドなどの出店戦略や配送システムなどについて、その実態と変化を地理学的な観点から明らかにしていきます。また、「シャッター商店街」「買い物難民」など消費をめぐる問題、災害時の流通、そしてネット通販など変わりゆく流通・消費についても迫ります。
土屋純著。
本書は、経営学、広くは社会科学系の学問領域全般が直面している危機の諸相が、研究の質とインテグリティ(倫理的な一貫性や誠実性)、大学における研究・教育体制、学問と実社会との関係など、多岐にわたる問題との関連で余すところなく描き出された「告発」の書である。しかし、本書は単なる「批判のための批判」の書などではない。著者のトゥーリッシュ教授は、経営学の再生の可能性を見すえた上で、さまざまな改善策を提案している。
デニス・トゥーリッシュ著、佐藤郁哉訳。
近代「神道」の形成と特質を近代仏教までもを含んだ俯瞰的な視野から考察し、「国家神道」に止まらない近代「神道」の姿をダイナミックに描いた、日本近代史の必読文献。
羽賀祥二著。
戦前最強の「扇動者」、ラジオ。その歴史を五人の人物伝によってひもとき、国民が戦争を熱狂的に支持し、また玉音放送によって瞬く間に終戦を受け入れるに至った「日本特有の事情」を炙り出す。
坂本慎一著。
色、ことば、しるし、企み。人間を翻弄し戦争へと駆り立てる一方で、その悪の道を食い止める正義にもなりうる「デザイン」。紀元前から近代、第一次世界大戦、ヒトラーをはじめとする独裁者たち、そして、今まさに起こっているプーチンのウクライナ侵攻まで、「戦争のデザイン」に焦点を当てた類のない一冊!
松田行正著。
他人との関係を切り捨てるのでもなく、自分と異なる考えを否定するのでもなく――「正しさ」とは何か、それはどのようにして作られていくものかを考える。
山口裕之著。
メタファー学とは、メタファーという観点から、哲学のみならず、神学・科学・文学・芸術などを横断的に叙述する新機軸の思想史である。その意図は、哲学の発生や人間の生の理解を根源的に考察しようとするところにある。概念的な規定とは一線を画した斬新な学知の光景がそこには広がっている。膨大な学殖に基づく知性の奔流を堪能し、その構想の全体像を俯瞰できる格好の案内書。
ハンス・ブルーメンベルク著、村井則夫訳。
1981年以来7回にわたり累計120の国と地域を対象としてきた世界価値観調査。日本人の考え方はどう変化し、世界の人の考え方との比較から何が見えるのか。 77の国と地域の最新調査データと時系列変化からクオリティ・オブ・ソサエティのゆくえを探る。新型コロナウイルス感染症パンデミック直後の日本追加調査を含む最新版!
電通総研/池田謙一編著。
誰もが手軽に表現するSNS普及後の世界で研究者の視点はどのように活かせるのか。ジェンダーとフェミニズム,セクシュアリティとクィア,障害と社会モデル,エスニシティと社会的な望ましさなど,私たちが生きる現代社会の不均衡を知り,別のありかたへ。
清水晶子/ハン・トンヒョン/飯野由里子著。
歴史は徐々に一人称で書かれるようになってきた。歴史家は過去を再構成することに満足できなくなり、解釈するようになる。それ以来、自身を語るようになった。ジャブロンカやアルティエールの作品によって特徴づけられるハイブリッドな新しいジャンルがかたちづくられる。かれらは独自の調査を文学的なスタイルで物語に仕立て上げる。逆にモディアーノ、ゼーバルトらはノンフィクション小説を作り出す。この「自分」の突出はより深い認識論的な問題を喚起する。本書でトラヴェルソはこの主観主義の創造的可能性、政治的曖昧さ、内在的限界などを問いかけている。
トラヴェルソ・エンツォ著、宇京賴三訳。
翻訳者としての福沢諭吉は、何を、どのように訳し、何を訳さなかったのか。幕末~明治初年、福沢諭吉が読み込んだ西洋の書籍と、それを翻訳・翻案して刊行した書籍の文章とを丹念に検討し、そこにあらわれる翻訳思想、西洋の近代的概念の受容・変容過程を読み解く。
姜兌玧著。
イタリア料理は「政治」と「空腹」がつくった? アメリカへ渡った移民の存在と二つの大戦、そして戦後の消費文化が食に及ぼした影響を辿ることで、「イタリア料理」成立の歴史が見えてくる。多様な史料をもとに複雑な食糧政策と庶民の反応を鮮やかに描く、食のイタリア現代史。
キャロル・ヘルストスキー著、小田原琳/秦泉寺友紀/山手昌樹訳。
女性たちにとって人種差別運動とは何か? アメリカにおけるレイシストの実態と、それを研究することの困難とは。米国右翼運動研究第一人者の初邦訳。本書の著者ブリーは、1920年代のKKKと現代の人種差別主義運動、とくにそこに参加する女性についての調査で知られる、アメリカ右翼運動研究の第一人者である。しかし、その研究には独特の困難が伴っている。調査対象の見つけ難さ、信頼関係構築の是非、現場にみなぎる緊張と暴力による脅し……。運動の実態に迫ると同時に、調査における数々の問題に揺れる姿を率直に論じる、貴重な研究ドキュメント。
キャスリーン・M・ブリー著、鈴木彩加訳。
本書は、現役自治体職員でありナッジの実践者であるNPO法人Policy Garageのメンバーが、「自治体の政策にナッジを取り入れるにはどうしたらよいか」を伝授。「ナッジで自治体の事業・仕事が変わる」という新たな気付きを得て、読者自身が実践をしてみようと踏み出すための知識・方法が得られる。
特定非営利活動法人Policy Garage編。