顔を聞き、声を見る 日本認知科学会(編集) - 共立出版 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784320094697

多感覚知覚の興味深い現象から、マスク着用の影響まで コミュニケーションのしくみを心理学的に解明!

私たち人間のコミュニケーションは、感覚器官をフル活用した高度な営みである。視覚・聴覚・触覚などの感覚はそれぞれが単独で機能しているだけではなく、それらの間にはさまざまな相互作用も生じていることは明らかである。

例えば、地下鉄のホームなどの騒がしい場所で会話をするとき、つい相手の口元の動きも注視していることはないだろうか。これは、聞こえにくい相手の声を視覚から得た情報で補おうとしているのである。

つまり、私たちはこのとき、「声を見て」いるのだ。

本書では、そのような感覚を超えたダイナミックな五感の働きを「多感覚コミュニケーション」と位置づけ、それを支える多感覚知覚のしくみや、多感覚知覚を土台としたコミュニケーションに関する心理学的研究を多数紹介する。

田中章浩著。