経済

レイシャル・キャピタリズムを再考する

レイシャル・キャピタリズムを再考する
  • 『レイシャル・キャピタリズムを再考する: 再生産と生存に関する諸問題』
  • ガルギ・バタチャーリャ/著、稲垣健志/訳、小笠原博毅/文
  • 人文書院
  • 2023/01/31
  • ISBN: 9784409041208

人種資本主義(レイシャル・キャピタリズム)とは何か
大西洋奴隷貿易と奴隷制、植民地主義はいかに資本主義の土台となったのか――ブラック・マルクシズム、ジェンダー、エコロジーの視座を取り入れ、不均衡な経済発展、環境問題、国境化、再生産労働の現場等、数々の事例を分析。浮かび上がるのは、現代の世界システムを分析するうえで最も重要な概念、「レイシャル・キャピタリズム」の輪郭である。
多様なマーケティングに消費者として巻き込まれつつ、私たちはなにに加担しているのか。なぜ一部の人間だけが犠牲になるようなレイシズムがいまなお蔓延っているのか。レイシズムの謎を解く鍵は人間本性ではなく資本主義にあることを喝破する、理論の書。

-- レイシャル・キャピタリズムを再考する ガルギ・バタチャーリャ(著) - 人文書院 | 版元ドットコム

貨幣と国家

貨幣と国家
  • 『貨幣と国家: 資本主義的信用貨幣制度の生成と展開』
  • 楊枝嗣朗/著
  • 文眞堂
  • 2022/12/28
  • ISBN: 9784830951961

近代初期に引受信用と預金銀行業によって覇権通貨となったアムステルダム銀行バンク・ギルダーと、産業革命金融を抑圧し、貿易金融と財政革命を支え、国際金融市場として発展したイギリス近代的信用制度の歴史は、信用貨幣と国家の関係を明らかにすると共に、MMTや新通貨学派やグレーバー『負債論』の国家貨幣論を批判する。

-- 貨幣と国家 楊枝 嗣朗(著/文) - 文眞堂 | 版元ドットコム

国家主導資本主義の経済学

国家主導資本主義の経済学
  • 『国家主導資本主義の経済学: 国家は資本主義を救えるのか?』
  • 溝端佐登史/著・編集
  • 文眞堂
  • 2022/12/28
  • ISBN: 9784830952074

21世紀に顕著な姿を世界に露わにした国家主導資本主義。本書は、旧ソ連、中国、ドイツ、中東欧を対象としつつ、国家主導性がどのように制度構築・編成され、世界経済にどのように影響しているのかを経済システムの内部から明らかにする。国家が混迷する資本主義を救い出すことができるのかを問う、比較経済学の最新研究成果。

-- 国家主導資本主義の経済学 溝端 佐登史(著/文 | 編集) - 文眞堂 | 版元ドットコム

コモンズのガバナンス

コモンズのガバナンス
  • 『コモンズのガバナンス: 人びとの協働と制度の進化』
  • 原田禎夫/翻訳、齋藤暖生/翻訳、嶋田大作/翻訳、エリノア・オストロム/著
  • 晃洋書房
  • 2023/01/23
  • ISBN: 9784771037083

政府でもなく、市場でもない、コモンズの可能性
人びとが共有する資源(コモンズ)の安定的な管理には、政府の介入か私有化しかないという定説に異を唱え、人びとによる自治が着目されるさきがけとなった不朽の名著。2009年ノーベル経済学賞受賞、待望の翻訳!

-- コモンズのガバナンス 原田 禎夫(翻訳) - 晃洋書房 | 版元ドットコム

アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?

アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?
  • 『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?: これからの経済と女性の話』
  • 河出書房新社
  • 2021/11/17
  • ISBN: 9784309300160

アダム・スミスが研究中、身の周りの世話をしたのは誰? 女性不在の経済神話を終わらせ、新たな社会を志向する21世紀の経済本。

-- アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? - 河出書房新社 | 版元ドットコム

アディクションと金融資本主義の精神

アディクションと金融資本主義の精神
  • 『アディクションと金融資本主義の精神』
  • 鈴木直/著
  • みすず書房
  • 2023/03/20
  • ISBN: 9784622096047

中毒、依存、嗜癖(しへき)などと訳される「アディクション」。スマホ、ギャンブル、ゲーム、飲酒、買い物……その対象は多岐にわたり、今日のネット社会ほどアクセスが容易になったことは人類史上かつてない。短期報酬を追い求めるアディクション化した金融経済は、実体経済を呑み込みながら、資本主義のカジノ化を推進している。
拡大するアディクションと、不安定化する金融資本主義。著者はそこに、人間の認知機能にそなわった特異な能力と脆弱性が深く関与していることを突き止める。そもそも近代化と資本主義の内に、アディクションを生み出す認知的なメカニズムが潜んでいるのだ。本書では、カント、ヘーゲル、ゲーテ、マルクスらの近代思想をふり返りながら、両者の関連をたどっていく。
しかも認知機能には限界がなく、それゆえ現代資本主義は、土地も人口も資源も尽きることがない無限の仮想空間(メタバース)に新たな収益源を求めつつある。
社会の断片化によって孤立した個人がアディクション的行動に走り、それが資本主義をさらに不安定化させる。拠り所を失った個人は、やがて独裁者やカルト集団にも容易に隷従することになるだろう。
アディクションを抑制しながら、民主主義が資本主義をコントロールする社会をつくり上げていくことは可能なのか。広い視野と多様な領域から、共に解決を求める場を開く。

-- アディクションと金融資本主義の精神 鈴木直(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

人はなぜ物を欲しがるのか

人はなぜ物を欲しがるのか
  • 『人はなぜ物を欲しがるのか: 私たちを支配する「所有」という概念』
  • ブルース・フッド/著、小浜杳/翻訳
  • 白揚社
  • 2022/12/14
  • ISBN: 9784826902441

手に入れたい、独占したい、失いたくない……
所有という行為と「自分のものにしたい」という所有欲は、人間が生きていくうえで必ずかかわってくる。

そもそも所有という行為は、進化の中でどのように生じたのか?
個人の所有欲は、社会のあり方にどんな影響を与えたのか?
そして、私たちがいくら物を手に入れても幸福になれないのはなぜなのか?

心理学、生物学、社会学、行動経済学など多様な分野の知見をもとに、私たちの人生を支配する「所有」というものの正体を探る。

-- 人はなぜ物を欲しがるのか ブルース・フッド(著/文) - 白揚社 | 版元ドットコム

綿の帝国

綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか
  • 『綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか』
  • スヴェン・ベッカート/著、鬼澤忍/翻訳、佐藤絵里/翻訳
  • 紀伊國屋書店
  • 2022/12/20
  • ISBN: 9784314011952

綿の歴史は資本主義の歴史であり、常に暴力と強制を伴っていた――
18世紀以降、綿産業の中心となった欧米の資本家と国家は、グローバルな綿のネットワークを形成、栽培のための労働力として奴隷貿易が定着するも、奴隷制廃止後には奴隷に代わる労働力の争奪戦が続き、現代の大手アパレルはコスト削減のため、国境を越えて工場を移している。
膨大な資料をもとに5000年、5大陸にわたる綿とそれにかかわる人々の歴史をたどり、今日私たちが直面している国家間・社会間の経済的不平等を含む現代世界の成り立ちを追究するとともに、国際協調のあり方についても示唆を与える、バンクロフト賞受賞作。

-- 綿の帝国――グローバル資本主義はいかに生まれたか スヴェン・ベッカート(著/文) - 紀伊國屋書店 | 版元ドットコム

金融人類学への誘い 宮崎広和(著/文) - 水声社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784801006737

《信じること》と《疑うこと》の狭間で 裁定取引とはなにか? 日本の証券トレーダーたちの思考と実践から、「終わり」の感受性に迫る。

アービトラージに夢を託し、その終焉に自らの人生を重ねる金融トレーダーと人類学者との邂逅が生み出した最高峰のモノグラフ。 ――岩井克人

宮崎広和(著)、木村周平/深田淳太郎/早川真悠/高野さやか(訳)。

ハッピークラシー エドガー・カバナス(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784622095491

「幸せの追求はじつのところ、アメリカ文化のもっとも特徴的な輸出品かつ重要な政治的地平であり、自己啓発本の著者、コーチ、[…]心理学者をはじめとするさまざまな非政治的な関係者らの力によって広められ、推進されてきた。だが幸せの追求がアメリカの政治的地平にとどまらず、経験科学とともに(それを共犯者として)機能するグローバル産業へと成長したのは最近のことだ」(「序」より)。

ここで言及される経験科学とは、90年代末に創設されたポジティブ心理学である。「幸せの科学」を謳うこの心理学については、過去にも批判的指摘が数多くなされてきた。本書はそれらをふまえつつ、心理学者と社会学者の共著によって問題を多元的にとらえた先駆的研究である。 「ハッピークラシー」は「幸せHappy」による「支配-cracy」を意味する造語。誰もが「幸せ」をめざすべき、「幸せ」なことが大事――社会に溢れるこうしたメッセージは、人びとを際限のない自己啓発、自分らしさ探し、自己管理に向かわせ、問題の解決をつねに自己の内面に求めさせる。それは社会構造的な問題から目を逸らさせる装置としても働き、怒りなどの感情はネガティブ=悪と退けられ、ポジティブであることが善とされる。新自由主義経済と自己責任社会に好都合なこの「幸せ」の興隆は、いかにして作られてきたのか。フランス発ベストセラー待望の翻訳。

エドガー・カバナス/エヴァ・イルーズ(著)、高里ひろ(翻訳)、山田陽子(解説)。

プラットフォーム資本主義 ニック・スルネック(著) - 人文書院 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784409031193

GAFAに代表されるデジタルプラットフォーム企業は、なぜ現代資本主義の中心に躍り出たのか。そして資本主義の何を変えたのか。戦後の経済史を振り返り、プラットフォーム企業を資本主義的生産様式の中に置き直すことで、その特質と本質をかつてないほど鋭くコンパクトに分析する。「加速派政治宣言」で知られる注目の哲学者・経済思想家による初の単著にしてベストセラー、待望の翻訳。

ニック・スルネック(著)、大橋完太郎/居村匠(訳)。