当事者研究の誕生 綾屋 紗月(著/文) - 東京大学出版会 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784130664103

障害者運動、自助グループなどに淵源をもつ当事者研究。その系譜と方法を、著者自らの自閉スペクトラム症の当事者研究を振り返りながら探ってゆく。周縁化された経験への応答として当事者研究の誕生をとらえることで、未来に受け継ぐべきものを展望する試み。

綾屋紗月(著)。

最小の結婚 エリザベス・ブレイク(著/文) - 白澤社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784768479780

そもそも「結婚」は、一夫一妻で、排他的で、夫と妻がそれぞれの役割を永続的に責任をもって担わなければならないとされていることに、十分な理由はあるのだろうか、それは善き生の役に立つのだろうか、と著者は問う。本書の伝統的な結婚のイメージから脱却する新たな制度としての「最小結婚」という刺激的な主張は、近年、日本でも注目されている同性婚をめぐる承認の問題や、フェミニズム・ケア論、クィア理論にかかわる家族のあり方の議論に新たな論点を提供するだろう。結婚について哲学的に考察した初めての書。

エリザベス・ブレイク(著)、久保田裕之(監修・翻訳)、羽生有希/藤間公太/本多真隆/佐藤美和/松田和樹/阪井裕一郎(翻訳)。

結婚の自由 植村 恒一郎(著/文) - 白澤社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784768479919

婚姻制度は、国が法的・経済的・社会的手当を配分する制度である。米国のフェミニスト哲学者エリザベス・ブレイクはその著書『最小の結婚』で、「結婚」によってもたらされる公的支援は全ての人にアクセス可能でなければならないとして、ケア関係を柱とする「最小結婚」を提唱した。

本書は、この「最小結婚」をもとに、7人の執筆者(植村恒一郎、横田祐美子、深海菊絵、岡野八代、志田哲之、阪井裕一郎、久保田裕之)が「結婚」について哲学的・政治学的・社会学的に考察した刺激的な論集である。

「結婚」とは何か。婚姻制度は必要か否か、改革は可能か。家族のあり方は特定の宗教や伝統といわれるものによる理想型から自由になれるか。「結婚」について考える全ての人のための一冊。

植村恒一郎/横田祐美子/深海菊絵/岡野八代/志田哲之/阪井裕一郎/久保田裕之(著)。

AI監獄ウイグル ジェフリー・ケイン(著/文) - 新潮社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784105072612

新疆ウイグル自治区は米中テック企業が作った「最悪の実験場」だった。DNA採取、顔と声を記録する「健康検査」、移動・購入履歴ハッキング、密告アプリ――そしてAIが「信用できない人物」を選ぶ。「デジタルの牢獄」と化したウイグルの恐るべき実態は、人類全体の未来を暗示するものだった。少女の危険な逃避行を軸に、圧倒的な取材力で描き出す衝撃の告発。

ジェフリー・ケイン(著)、濱野大道(翻訳)。

思想史講義【明治篇Ⅰ】 山口 輝臣(編集) - 筑摩書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480075147

文明開化の実態はいかなるものだったのか。富国強兵は本当に言われていたのか。最新の研究成果により明治前半の諸思想を徹底検証。従来の明治時代像を刷新する。

四巻シリーズによる近代日本思想史の起点となる本書では、明治維新をめぐるさまざまな思想を考察する。文明開化は単なる「西洋化」だったのか。富国強兵は本当に維新当初からスローガンだったのか。最新の実証的研究に基づく16のテーマと8本のコラムにより、諸思想を掘り下げて検討。多彩な論点で歴史を行きつ戻りつたどることによって、思想史の力を引き出し、従来の単線的な明治維新像を刷新する。過去を考える意味とおもしろさがわかる、これまでにない明治維新思想史入門。

山口輝臣/福家崇洋(編集)。

ジョン・ロック伝 モーリス・クランストン(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784622095422

1957年初版、イギリスの哲学者ジョン・ロック(1632-1704)の生涯と思想と活動とその時代を縦横かつ生き生きと描いた本書は、現在もなお貴重なジョン・ロック伝であり、ロック研究の基本文献として通っている。1948年にロックの3000通近い手紙と1000点ほどの雑多な手稿をふくむラヴレス・コレクションを見ることができるようになったことで、それまでのロック研究は一新し、本書の執筆・刊行は可能になった。

ピューリタン革命や名誉革命に代表されるように、国王と議会、国家と市民、宗教戦争と寛容が対立し、植民地化の始まりの時代にあって、ロックは何を考え、『人間知性論』や『政治二論』などの作品を世に送ったのか。幼年時代から晩年まで、近代国家初期のありようとそこに生きる人間の様相を探究したロックの全姿を描いた、思想史の碩学による古典的名著である。

モーリス・クランストン(著)、小松茂夫/田中浩/神谷直樹/金井和子(翻訳)。

自殺の思想史 ジェニファー・マイケル・ヘクト(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784622090694

自殺をしてはいけない。この言葉は、どのように根拠づけられるのだろうか? この問いへの答えを求めて、古代ローマの歴史的資料や古代ギリシャの哲学者たちの思索をはじめ、戯曲や芸術、キリスト教やイスラム教といった宗教思想、宗教から距離を置いた哲学、社会学的な取り扱いまでをも含んだ広い視野で「自殺」がどう考えられてきたのかをまとめ上げる。

古くは宗教的な罪とされていた自殺は、精神医学の発展に伴って倫理的に中立なものになり、現代では選択肢や権利として肯定する立場さえある。このような思想の変遷の中にも、自殺を肯定しない考え方が確かに生き残ってきた。 誰もが納得する答えを出すことがむずかしい問いである。それでも、生きることをやめないでほしい、という切実な思いに向き合い、生きることをやめるべきではない理由とその論理をたどることが、この生に踏みとどまる助けになりうるし、切実な悩みに応えるためのヒントになりうるだろう。

ジェニファー・マイケル・ヘクト(著)、月沢李歌子(翻訳)。

欧化と国粋 ケネス・B・パイル(著/文) - みすず書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784622095446

本書は明治中期に国を二分した論争の重要研究であり、アメリカ人研究者が弱冠33歳で書き上げたものである。以来本作は日米で50年にわたり断続的に読み継がれてきた。その名著をここに改めて刊行する。

近代世界において日本人であるということは、一体何を意味していたのだろうか? 近代国家建設のため西洋文明を急激に吸収する一方で、日本人の自己像は大きく揺らいでいた。それは、明治の初代指導層から見て新世代にあたる青年を中心に「欧化か国粋か」の激論を巻き起こす。日本の完全な欧化を主張したのは徳富蘇峰らの民友社であり、日本の国粋保存を訴えたのは志賀重昂、三宅雪嶺らの政教社であった。国民的な関心を集めたかれらの真摯な激論は、後発的発展社会にとって宿命的なアポリアを解消する可能性を秘めていたのだが――

「日本にとって悲劇であったのは、この健康なナショナリズムが、その後、愚かしく有害なナショナリズムの形態に圧倒されてしまったことである」(「日本語版への序文」より)。

かれらを飲み込んだ国家主義は何をもたらしたのか。本書が克明に描く明治新世代の苦悩に、現代の我々は何を読みとり、何を思うだろう。問いは読者に開かれている。

ケネス・B・パイル(著)、松本三之介(監修)、五十嵐暁郎(翻訳)。

大いなる錯乱 アミタヴ・ゴーシュ(著/文) - 以文社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784753103706

インド出身の世界的な作家アミタヴ・ゴーシュが、シカゴ大学で行った地球温暖化・気候変動に関する講演に基づく、「物語」「歴史」「政治」の三部からなるエッセイ集。巻末には日本語翻訳版独自に、訳者による特別インタヴューを掲載。

 なぜ、これまで「気候変動」は、「真剣な小説(シリアス・フィクション)」の主要なテーマとされてこなかったのか。

 そこにはいまだに、19世紀を通してつくりあげられたブルジョワ的秩序と「近代」的な世界観を基調とした、「平凡」で「おだやか」なものという「自然」概念が息づく。また、20世紀におけるシュールレアリスムやマジカル・リアリズムといったリアリズム芸術の潮流もまた、気候変動を描くことにおいては倫理的困難にぶつかってしまう。

 こうして、21世紀における「オブジェクト指向存在論」「アクターネットワーク理論」「新しいアニミズム」といった新しい思想は、気候変動という危機と人間ならざるものとのかかわりにおける、「思考しえぬもの」の「認知=再認」の問題に呼応しながら登場してきたと言えるだろう。それは、今後ますます増加するであろう、人間ならざるもの(ノン・ヒューマン)が現に、かつ身近に存在しているという「不気味さ」との対峙でもある。

 著者のアミタヴ・ゴーシュは、気候変動そのものが資本主義と帝国によって推進されてきたこと、ポストコロニアリズムと「人新世」的諸問題のつながりを指摘しながら、「惑星的危機」の時代に警鐘を鳴らす。「気候変動の危機はまた、文化の危機でもあり、したがって想像力の危機でもあるのだ」と。

アミタヴ・ゴーシュ(著)、三原芳秋/井沼香保里(翻訳)。

個性という幻想 ハリー・スタック・サリヴァン(著/文) - 講談社 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065297285

生前にはアメリカの医学界を陰で支配しているとまで言われながら、没後はその名さえ忌み嫌われたハリー・スタック・サリヴァン(1892―1949)。1970年代にアメリカ精神医学の源流として再評価され、さらに近年、人間社会と精神疾患の関係を論じた先駆者として再注目される精神医学者の、本邦未訳の論考を中心とした著作集。

サリヴァンが生涯をかけて訴えたのは、人間同士の差異よりも、互いを結び付けているものに着目することの重要性だった。患者一人ひとりを診るのではなく、「人間集団に対する精神医学」を唱えたのである。しかし、「個性とは幻想である」という見解は当時、あまりにラディカルでほとんど危険思想のように受け取られた。今世紀になり、「トラウマ理論」や「発達病理学」といった学際的研究領域が確立してようやく、サリヴァンの提出した課題に科学として取り組めるようになったのである。

本書は、初出出典に基づいて訳出した日本語版オリジナルの論集で、徴兵選抜、戦時プロパガンダ、反ユダヤ主義、国際政治など、実社会に関する特に重要なものを選んだ。収録した12編のうち11編は、日本で唯一未訳の著書“The Fusion of Psychiatry and SocialSciences” にも収められている。

ハリー・スタック・サリヴァン(著)、阿部大樹(編集/翻訳)。

バッド・ランゲージ ハーマン・カペレン(著/文) - 勁草書房 | 版元ドットコム

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784326103102

言葉のダークサイドに立ち向かえ。社会に溢れる言葉の悪用に着目し実践的な言語の問題を考える言語哲学の新基軸への格好の入門書。

他者が用いる言葉のダークサイドの力に対抗するためにも、そして自分がダークサイドに陥らないためにも、「悪い言葉」をよく理解しておく必要がある。これまで主流の言語哲学が見過ごしてきた「実社会の言語」の問題に切り込む画期の書。言語哲学が、より開かれたものとなり、真に私たちの哲学になるための一つの大きな契機として。

ハーマン・カペレン/ジョシュ・ディーバー(著)、葛谷潤/杉本英太/仲宗勝仁/中根杏樹/藤川直也(翻訳)。